【転職手続】雇用保険被保険者証は必要ない?会社からもらっていない場合の対応について

雇用保険制度

この記事の想定読者

  • 会社から雇用保険被保険者証をもらっていない人
  • 行政機関や転職先から雇用保険被保険者証の提出を求められたが、持っていない人
  • 雇用保険被保険者証がなにかわからない人

転職先に雇用保険被保険者証を提出してくれと言われたけど…持っていないよ

ファスタ
ファスタ

持っていなくても大丈夫!

即日再発行できますし、提出不要な場合も多いですよ!

転職時に提出を求められる「雇用保険被保険者証」ですが、見つからない・もらった記憶が無くても大丈夫。最寄りのハローワークで即日発行が可能です

雇用保険被保険者証の再発行方法は以下の2ステップ。

「雇用保険被保険者証」の再発行方法
  1. 本人確認できる書類を持って、最寄りのハローワークに行く
  2. 窓口で再発行申請書を記入して、提出する

「雇用保険被保険者証」は転職時に提出を求められますが、実は提出は必須ではありません

「雇用保険被保険者証」は、転職先の会社で雇用保険加入の手続きを行うために提出を求めています。しかし、雇用保険加入の手続き自体は「雇用保険被保険者証」が無くても可能です。

雇用保険被保険者証が無くても、転職先の会社で雇用保険加入の手続きを行ってもらう方法は以下の2つ。

雇用保険被保険者証が無い場合の雇用保険加入手続き
  • 他の公的書類を提出する(離職票・雇用保険受給資格者証など)
  • 会社の手続き担当者に前職の会社名を伝える

「雇用保険被保険者証」の提出を求められたが、持っていない場合の対処法をまとめると、以下になります。

雇用保険被保険者証をもらっていない場合の対応
  • 「雇用保険被保険者証」を再発行してもらう
    • 本人確認書類を提示し、再発行申請書を記入する
  • 他の公的書類を提出する
    • 代替できる書類は離職票・雇用保険受給資格者証など。
  • 会社の手続き担当者に前職の会社名を伝える
    • 雇用保険加入手続きに必要な「雇用保険被保険者番号」を、ハローワーク窓口で確認してもらうことが出来、問題なく手続きが行える。

この記事では、

  • 「雇用保険被保険者証」とはなにか
  • なぜ提出を求められるのか
  • 「雇用保険被保険者証」を持っていない場合の対応

について解説します。

正直、「雇用保険被保険者証」のことを知っている人は日本の全人口の5%にも満たないと思っています。

知らなくても生きていくのには全く困りませんが、突然聞き覚えのない書類の提出を求められて困っている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

本文中では、読みづらくなるのを防ぐため

  • 「雇用保険被保険者証」=被保険者証
  • 「雇用保険被保険者番号」=被保険者番号

とします。

この記事の参考にしている「雇用保険業務取扱要領」については、以下のURLから確認できます↓

雇用保険に関する業務取扱要領(令和5年8月1日以降) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

雇用保険被保険者証とは

そもそも雇用保険被保険者証ってなに…?

雇用保険被保険者証とは、雇用保険の被保険者の資格を取得した(=週20時間以上かつ31日以上の雇用の見込みのある仕事に就いた)ときに、ハローワークより発行される書類です。

被保険者証には、

  • 発行したハローワーク名
  • 被保険者番号
  • 被保険者氏名
  • 生年月日

が記載されており、多くは「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」と一緒になって発行されます。

もらえるタイミング

入社後、会社が雇用保険の加入手続きを行うことで、ハローワークから発行されます。

会社の手続きの速さによりますが、入社後1週間~3週間後でもらえることが多いです。

使用する場面が極端に少ない+小さなペラペラの紙なので、そもそももらったことを忘れていたり、捨てたり無くしてしまう方が非常に多いです。(そして、そのことを定年退職するまで気づかない人も…)

なぜもらうのか

この被保険者証は、健康保険などの社会保険の保険証とは違い、どこかに提出するタイミングはほとんどありません。

じゃあいらなくない?どうして発行してるの?

ファスタ
ファスタ

ちゃんと雇用保険に加入しているか、労働者本人が確認するためにもらうんです。

発行の主な目的は以下の2点。

  • 雇用保険の被保険者(=週20時間以上で働いている人)になっている
  • 会社がちゃんと雇用保険加入の手続きをしている

ですので、会社から被保険者証をもらったときは、必ず内容を確認しましょう。内容に誤りがあると、雇用保険の各種給付の申請時に、確認できる雇用保険の加入期間が足りず、給付を受けられなくなってしまうことがあります。

特に以下の内容については注意して確認しておきましょう。

  • 資格取得年月日 ⇒ 週20時間以上で働き始めた最初の日になっているか
  • 被保険者氏名、生年月日 ⇒ 自身のもので間違いないか
  • 事業所名略称 ⇒ 知らない会社名になっていないか

参考 雇用保険被保険者証の交付について 雇用保険に関する業務取扱要領 20707(7)確認通知および被保険者証の交付

提出を求められる場面

今まで使ったことがないけど、どこかで使うこともあるの?

ファスタ
ファスタ

もちろんあります!だけど、なくてもいい場合がほとんどですね。

主に提出を求められる場面は以下の2つ。

  • 転職して、新しい会社で雇用保険加入の手続きをするとき
  • 教育訓練給付などの雇用保険の各種給付を受けるとき

ちなみに、よく失業保険の申請時の持ち物として被保険者証が挙げられているのを見ますが、実は必要ありません

私が窓口業務をしているときにも、一度も提出してもらったことはありません。雇用保険に関する業務取扱要領にも必要書類としての記載がありませんので、基本的に提出は不要です。

※ ただし、離職から失業保険の申請までに氏名が変わった場合は、変更後の氏名が確認できる書類とともに提出するようになっています。

参考 雇用保険に関する業務取扱要領 50003(3)イ

なぜ提出を求められるのか

上記の2つの提出を求められるケースでは、被保険者証を提出しないと手続きができないのか?というと、そんなことはありませんし、被保険者証を持っていないので申請を受け付けない、ということもありません。

え、じゃあなぜ提出を求めるの?

ファスタ
ファスタ

被保険者番号の確認のために提出してもらっています。

被保険者番号は、一人に一つだけ付与される雇用保険の番号になります。

雇用保険制度のマイナンバーのようなものですね。

一人の人間がずっと同じ番号を使うことで、これまでの雇用保険の加入履歴がすぐに確認でき、失業保険などの各種給付の申請時に、適切な支給事務が行えるようになります。

この被保険者番号を確実にかつ素早く確認するために、被保険者証の提出を求めています。

持っていない場合の対応

持っていない…どうすれば…

では、被保険者番号を確認するときに、被保険者証を持っていないときはどうすればいいのか。

その対応は以下の3つのどれかになります。

  • 他の、被保険者番号が確認できる書類で代替する
  • 窓口で被保険者番号を確認してもらう
  • 被保険者証を再発行してもらう

他の書類で代替する

被保険者証以外にも被保険者番号が確認できる公的な書類が存在します。その代表的なものが「離職票」と「雇用保険受給資格者証」です。

提出する場合はどちらもコピーで大丈夫です。

「離職票」は、退職後に会社からもらう書類です。ただし、必ず発行されるものではないので、退職前に会社へ発行希望を伝えておきましょう。

なお、雇用保険に加入していたけれど「離職票」の発行を希望しないときは、会社から「雇用保険資格喪失確認通知書」というものがもらえます。これでも被保険者番号は確認できます。

「雇用保険受給資格者証」はハローワークに「離職票」を提出し、失業保険の申請をした後にもらえる書類です。申請から発行まで1週間ほどかかりますので、早めに欲しい方は失業保険の申請時にハローワークの人に希望を伝えておきましょう。

窓口で被保険者番号を確認してもらう

ハローワークが被保険者番号を管理しているので、本人確認さえ取れれば窓口で被保険者番号の確認ができます。

被保険者番号の確認のために必要な本人確認は以下のとおり。

  1. 本人確認書類(運転免許証等)で氏名・生年月日の確認
  2. 前職か現職の会社名を伝える(雇用保険の加入手続きをした会社に限る)

この確認が取れると、自身の被保険者番号が特定できます。

各種給付申請時であればハローワークの窓口でその場で確認してもらい、再就職後の雇用保険加入の手続きであれば、再就職先の人事担当者に前職の会社名を伝えておきましょう。

再発行する

被保険者証は必要書類を持参して窓口に行けば即日再発行可能です。

必要書類は以下の2点。

  • 本人確認書類
  • 再交付申請書(窓口でもらえます)

なお、ここで本人確認書類になるものは以下を参考にしてください。

参考 雇用保険に関する業務取扱要領 20853(3)被保険者証の再交付

再発行はどこのハローワークでも可

この被保険者証の再発行は、どこのハローワークでも可能です。

極端な話、旅行中にふらっと立ち寄ったハローワークでも再発行できます。

平日お休みしずらい方は、本人確認書類を持って会社の昼休み中などに利用してみましょう。

再発効までにかかる時間は2~3分

被保険者証の再発行自体にはそこまで時間はかかりません。発行自体は2~3分で出来ます。

その日の込み具合や、申請書の記入に要する時間にもよりますが、トータルで10~15分ぐらいを見ておけば大丈夫でしょう。

発効までにかかる時間の具体例は、以下になります。

  • 窓口に呼ばれるまでの待ち時間 4~5分
  • 窓口で本人確認書類を提示し、申請書に必要事項を記入 5~6分
  • 申請書をもとに職員がデータを入力し、再発行する時間 2~3分

まとめ

以上、「雇用保険被保険者証」とはなにか、なぜ提出を求められるのか、そして「雇用保険被保険者証」を持っていない場合の対応について解説しました。

まとめると以下のとおりです。

「雇用保険被保険者証」とは

雇用保険の被保険者の資格を取得した(=週20時間以上かつ31日以上の雇用の見込みのある仕事に就いた)ときに、ハローワークより発行される書類で、

  • 雇用保険の被保険者(=週20時間以上で働いている人)になっている
  • 会社がちゃんと雇用保険加入の手続きをしている

この2点の確認のために発行されるもの。

提出を求められる場面は主に2つ。

提出を求められる場面
  • 転職して、新しい会社で雇用保険加入の手続きをするとき
  • 教育訓練給付などの雇用保険の各種給付を受けるとき

そして、なぜ提出を求めるかというと、「雇用保険被保険者番号」を確実にかつ素早く確認するためです。

提出を求められたが、「雇用保険被保険者証」がないときの対処法は以下の3つ。

  • 他の「雇用保険被保険者番号」が確認できる書類で代替する

  ⇒代替できる書類は「離職票」や「雇用保険受給資格者証」など。

  • 窓口で「雇用保険被保険者番号」を確認してもらう

  ⇒本人確認書類を提示し、雇用保険加入手続きを取っている前職または現職の会社名を伝える

  • 「雇用保険被保険者証」を再発行してもらう

  ⇒本人確認書類を提示し、再発行申請書を記入する

日常にあまりなじみがない「雇用保険被保険者証」

急に提出を求められるとびっくりしますよね。

持っていない場合の対処法については、本人確認書類があれば大体はクリアできます。

落ち着いて対応しましょう。

転職や雇用保険の各種手続きの不安を、この記事で少しでも取り除ければ幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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