失業保険受給中に1日4時間未満のアルバイトをした場合の申告・計算方法

雇用保険制度

この記事の想定読者

  • 失業保険受給中に1日あたり4時間未満のアルバイトをしようと思っている方
  • 4時間未満のアルバイトで減額される失業保険額を知りたい方

失業保険受給中だけど、短時間だけ仕事を手伝ってくれって言われちゃった。

大丈夫かな?

ファスタ
ファスタ

ルールに沿ってしっかりと申告すれば大丈夫ですよ!

失業保険受給中にアルバイトを行うと、働いた時間と収入の金額によって受給金額が調整されます。

  • 週20時間以上 ⇒ 支給なし
  • 週20時間未満で1日4時間以上 ⇒ 後ろ回し
  • 週20時間未満で1日4時間未満 ⇒ 収入金額によって減額、減額なし、後ろ回しのいずれか

4時間未満のアルバイトだけ選択肢が多いね

ファスタ
ファスタ

収入金額によって対応が変わるんです。

しっかり学んで対応しよう!

1日の働く時間が4時間未満のとき、1日当たりの収入金額によって、失業保険の受給金額の取扱いが変わります。具体的には以下のとおり。

  • 1日当たりの収入金額-基本手当日額≧(離職時の賃金日額×80%-基本手当日額)+控除額 ⇒ 後ろ回し(1日4時間以上のアルバイトと同じ調整)
  • 1日当たりの収入金額≧(離職時の賃金日額×80%-基本手当日額)+控除額 ⇒ 減額
  • 1日当たりの収入金額≦(離職時の賃金日額×80%-基本手当日額)+控除額 ⇒ 調整なし

収入金額の多さによって、後ろ回し>受給金額減額>調整なし になります。

この記事では、失業保険受給中に1日4時間未満のアルバイトを行った場合の対応について、以下の3点を中心に解説します。

  • 受給金額はどうなるのか
  • 減額される金額の計算方法
  • 認定日の申告方法

なるべくわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

1日4時間以上アルバイトした場合にどうなるのかについては、以下の記事を参考にしてください↓

この記事の参考にしている「雇用保険業務取扱要領」については、以下のURLから確認できます↓

雇用保険に関する業務取扱要領(令和5年8月1日以降) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

失業保険とアルバイト

そもそも失業保険受給中にアルバイトってしてもいいの?

ファスタ
ファスタ

失業保険をもらいながらでも、週20時間未満であればアルバイトができますよ。

失業保険は、雇用保険の被保険者が会社を退職後、失業状態にある場合にハローワークに申請することで受給できるお金です。

失業状態とは、「自営業や週20時間以上の仕事をしておらず、週20時間以上の仕事を探しており、自分にあった仕事が見つかれば働ける状態」のことを言います。

を言います。他の条件を満たしている限り、週20時間未満であればアルバイトをしていても失業保険を受給することが出来るのです。ただし、働いた日数や時間、収入金額によって金額が調整されます。

失業保険の詳しい受給条件については、以下の記事を参考にしてください。

1日4時間未満のアルバイトをする場合

1日4時間未満のアルバイトをしようと思っていたけど…

なんだか対応が大変そうだね。

ファスタ
ファスタ

正直、かなり複雑な申告・計算になります。

わかりやすく解説するので、一緒に見ていきましょう!

受給金額はどうなるのか

失業保険受給中に1日4時間未満のアルバイトを行ったとき、失業保険の受給金額は以下のいずれかの対応になります。

  • 1日当たりの収入金額-基本手当日額≧(離職時の賃金日額×80%-基本手当日額)+控除額 ⇒ 後ろ回し(1日4時間以上のアルバイトと同じ調整)
  • 1日当たりの収入金額≧(離職時の賃金日額×80%-基本手当日額)+控除額 ⇒ 減額
  • 1日当たりの収入金額≦(離職時の賃金日額×80%-基本手当日額)+控除額 ⇒ 調整なし

収入の金額の多さによって、後ろ回し>受給金額減額>調整なし となります。アルバイトの時給や前職の賃金額にもよりますが、1日4時間未満のアルバイトの場合、ほとんどは受給金額の減額の調整になります。

参考 厚生労働省 賃金日額等の改正前後の金額について(令和元年8月改正分)

そもそも言葉の意味が分からないんだけど…

ファスタ
ファスタ

難しいですよね(笑)細かく解説します。

1日当たりの収入金額

1日4時間未満でアルバイトした場合の、1日当たりの収入金額です。

 1日3時間ずつで、5日間働き 収入が15,000円のとき

1日当たりの収入金額は 15,000円÷5日間=3,000円

アルバイト先から交通費が出ていた場合は、原則交通費も収入金額に含めます。アルバイト先からの交通費が失業保険の減額対象になるのか、考え方については以下の記事を参考にしてください↓

離職時の賃金日額

退職日の直前6か月間の賃金を1日当たりに計算したもの。雇用保険受給資格者証をお持ちの方は、14欄に記載されています。

基本手当日額

1日当たりに支払われる失業保険の金額。雇用保険受給資格者証をお持ちの方は19欄に記載されています。

控除額

金額調整の計算の際に、収入金額から差し引いてくれる金額。全員一律の金額で、毎年8月1日に改定されます。(令和4年8月1日~令和5年7月31日までは1,310円

減額される金額の計算方法

制度についてはわかったけど、減額されるときはいくらぐらい減額されるものなの?

ファスタ
ファスタ

人によってまちまちですが、1,000~2,000円ぐらい減額されている人が多いですね。

計算方法を見ていきましょう!

減額される金額の計算式は以下のとおりです。

減額される金額(A)

1日当たりの収入金額-(離職時の賃金日額×80%-基本手当日額)-控除額

 基本手当日額6,000円 離職時の賃金日額8,000円 1日当たりの収入金額3,500円

  • 減額される金額

= 3,500円-(8,000円×80%-6,000円)-1,310円

= 3,500円-400円-1,310円

= 1,790円

※ なお、記載のとおり金額によっては減額されない場合もあります。詳しくはハローワークで確認しましょう。

1日当たりの収入金額の計算の注意点

1日当たりの収入金額の計算方法は上述のとおりになります。なお、このときの計算には、以下の期間に働いた金額も含まれます。

1日当たりの収入金額の計算に入る期間
  • 失業保険の申請をする前の期間
  • 待期期間
  • 給付制限期間
  • 失業保険の支給終了後の期間
  • 不認定期間(認定日不来所、活動実績不足などで支給がなかった期間)
ファスタ
ファスタ

単純に、1ヵ月分の収入を働いた日数で割ったもの と覚えておいてください。

認定日に減額される金額

認定日に減額される金額は、1日4時間未満で働いた日数分だけです。ここで減額対象になる「働いた」日数は、「失業認定期間中に働いた」日数です。以下の期間での1日4時間未満の就労は、「働いた」日数には含まれません。

「働いた」日数に含まれない期間
  • 失業保険の申請をする前の期間
  • 失業保険の支給終了後の期間
  • 給付制限期間
  • 不認定期間(認定日不来所、活動実績不足など)

計算式は以下のとおりです。

認定日の受給金額の計算式

基本手当日額×(認定日数―働いた日数)+(基本手当日額―減額される金額)×働いた日数

 基本手当日額6,000円 今回受給できる日数28日 働いた日数4日 減額される金額1,000円

受給できる金額は

(6,000円×24日分)+((6,000円―1,000円)×4日分)

=(6,000円×24日分)+(5,000円×4日分)=144,000円+20,000円=164,000円 になります。

ちなみに、もし働いていなかった場合に受給できた金額は 6,000円×28日分=168,000円 になります。

認定日の申告方法

失業保険受給中にアルバイトを行ったときは、失業認定日に就労の申告が必要になります。1日4時間未満のアルバイトを行った場合の、就労の申告方法は以下の2ステップ

  1. 働いた日に印をつける
  2. 給料をもらった後に、いつ・いくら・何日分の収入か記入する
ファスタ
ファスタ

これだけしておけば、あとは窓口の職員が適切な処理をしてくれます。

働いた日に印をつける

毎回の認定日ごとに、失業認定申告書の1欄を使って申告します。働いた日の申告方法は以下の2ステップ

  1. 「ア」のしたに〇をつける
  2. 1日4時間未満のアルバイトで働いた日に×印をつける

給料をもらった後に、いつ・いくら・何日分の収入か記入する

失業認定期間中に収入があった場合は、いつ・いくら・何日分の金額か の申告が必要になります。

収入金額の申告(2欄への記入)は、実際に給料をもらってから行います。

ファスタ
ファスタ

収入のあった日は、給料をもらった日

収入額は、1日4時間未満のアルバイトをして発生した収入金額

何日分の収入かは、1日4時間未満のアルバイトをした日数 です。

 7月1日~31日の1ヵ月間働く 失業認定日7月31日(次回認定日8月28日) 給料日8月15日

7月31日の認定日の時点では、7月分の給料が振り込まれていないので2欄には何も書かない。

次回認定日の8月28日時点では、7月分の給料が振り込まれているので2欄に記入して申告する。

まとめ

以上、失業保険受給中に1日4時間未満のアルバイトを行った場合の申告・計算方法について解説しました。

まとめると以下のとおり。

失業保険受給中にアルバイトを行ったとき、失業保険は以下のとおりに調整されます。

  • 週20時間以上 ⇒ 支給なし
  • 週20時間未満で1日4時間以上 ⇒ 後ろ回し
  • 週20時間未満で1日4時間未満 ⇒ 収入金額によって減額、減額なし、後ろ回しのいずれか

1日4時間未満のアルバイトを行うときは、以下のとおり収入金額によって失業保険の受給金額が変わります。

  • 1日当たりの収入金額基本手当日額≧(離職時の賃金日額×80%基本手当日額)+控除額 ⇒ 後ろ回し(1日4時間以上のアルバイトと同じ調整)
  • 1日当たりの収入金額≧(離職時の賃金日額×80%基本手当日額)+控除額 ⇒ 減額
  • 1日当たりの収入金額≦(離職時の賃金日額×80%基本手当日額)+控除額 ⇒ 調整なし

減額される金額の計算式は以下のとおり。

減額される金額(A)

1日当たりの収入金額-(離職時の賃金日額×80%-基本手当日額)-控除額

減額があるときの失業保険の受給金額は以下のとおり。

認定日の受給金額の計算式

基本手当日額×(認定日数―働いた日数)+(基本手当日額―減額される金額)×働いた日数

失業期間中のアルバイトにはこういったメリットがあります。

  • スキルの低下防止
  • 生活基盤の安定
  • 転職先へのアピール

失業保険受給中のアルバイトは申告や計算が難しいですが、繰り返していけば必ず慣れます。恐れず、新たな1歩を踏み出してみてください。

実りある転職になるよう祈っております。最後までご覧いただきありがとうございました。

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