【ハローワーク職員徹底解説】給付制限期間中のアルバイトについて

雇用保険制度

この記事の想定読者

  • 給付制限期間中にアルバイトしたい方
  • 給付制限期間中にアルバイトするとどうなるか知りたい方
  • 給付制限期間中に効率よくアルバイトしたい方

失業保険の申請後、離職理由によっては給付制限期間があり、一定期間失業保険が振り込まれないことがあります。

生活が心配だ…

アルバイトしてもいいかな?

ファスタ
ファスタ

アルバイトしても大丈夫ですよ。

失業保険の金額も変わりません。

給付制限期間中は、アルバイトをしても失業保険に影響ありません。さらに、給付制限期間中のアルバイトについては、どれだけ働いても金額の調整がされません。ただし、週20時間以上働く場合は就職状態に該当するため、ハローワークの窓口での就職申告が必要になります。

以上を踏まえたうえで、貯金があまり無い状態で退職して給付制限がかかってしまう方には、こんな方法をオススメします。

給付制限期間中は週20時間以上アルバイトし、給付制限が終わればアルバイトを辞めて就職活動に専念する

この記事では、給付制限期間中のアルバイトについて、以下の4点から解説します。

  • そもそも給付制限とはなにか
  • 給付制限期間中にアルバイトは可能なのか
  • 給付制限期間中にアルバイトをした場合の受給金額の計算
  • 貯金が少ない人が給付制限期間を乗り越えるアルバイト方法

分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 オススメのアルバイト方法は、あくまでも個人的な意見です。

この記事の参考にしている「雇用保険業務取扱要領」については、以下のURLから確認できます↓

雇用保険に関する業務取扱要領(令和5年8月1日以降) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

給付制限期間とは

そもそも給付制限期間ってなに?

ファスタ
ファスタ

ざっくり言うと、失業保険がもらえない期間です。

離職理由が自己都合であったり、ハローワークの職業紹介を拒否した場合に対象になります。

給付制限期間とは、雇用保険法第32条・第33条に規定されている、基本手当を支給しない期間を言います。

雇用保険法
  • 第32条 職業紹介の拒否 又は 職業訓練受講の拒否をしたとき 待期期間満了後1ヶ月間は支給しない
  • 第33条 離職理由が自己都合退職 又は 懲戒解雇 のとき 待期期間満了後1ヶ月以上3ヶ月未満の期間は支給しない

ハローワークからの職業紹介・職業訓練受講を拒否したり、離職理由が自己都合・懲戒解雇の場合に給付制限の対象になります。

ファスタ
ファスタ

なお、ハローワークの職業紹介・職業訓練受講を拒否して給付制限になるケースはほとんどありません。

細かな事例は省略しますが、普通に就職活動を行っていれば大丈夫です。

2023年12月1日時点の運用では、給付制限期間はそれぞれ以下のとおりになっています。

  • 職業紹介・職業訓練拒否(法第32条) 1ヶ月
  • 自己都合退職(法第33条) 2ヶ月
  • 懲戒解雇(法第33条) 3ヶ月

参考 雇用保険業務取扱要領52205(5)

給付制限期間中は、失業の認定が行われず、基本手当(失業保険)は支給されません。また、給付制限期間の計算については、日数ではなく暦で行います。

12月1日から給付制限1ヶ月間のとき 

給付制限期間 12月1日~12月31日

支払い対象になるのは1月1日から

参考 雇用保険業務取扱要領52156(6)、52205(5)

ファスタ
ファスタ

「給付制限期間=失業保険の対象になるまでの空白期間」です。

この期間中は失業状態である必要はありません。

給付制限期間中にアルバイトは可能

給付制限期間中にアルバイトをしても、失業保険に影響はありません。

失業保険受給中のアルバイトについては、失業状態を満たしている限り、働きながらでも失業保険を受給することが出来ます。この条件は給付制限期間中であっても同じです

失業状態とは、「自営業や週20時間以上の仕事をしておらず、週20時間以上の仕事を探しており、自分にあった仕事が見つかれば働ける状態」のことを言います。

ファスタ
ファスタ
  • 週20時間未満のアルバイト
  • 週20時間以上の仕事探しを並行して進めていく

この2つを満たしていれば、失業保険をもらっていても働いてOK ということです。

参考 雇用保険業務取扱要領51255(5)

給付制限期間中にアルバイトしても失業保険金額に影響なし

給付制限期間中に働いたら失業保険が減額されたりするの?

ファスタ
ファスタ

給付制限期間中は、働いても失業保険の金額に変化はありませんよ。

失業保険受給中にアルバイトをした場合、働く時間や1日あたりの収入金額によって、失業保険の金額が調整されますが、給付制限期間中のアルバイトについては、どれだけ働いても金額の調整がされません

理由としては、給付制限期間中は「失業の認定がされない期間」になり、そもそも失業状態である必要がない期間だからです。

ファスタ
ファスタ

「支払うお金がないので、調整もされない」ということです。

給付制限期間中に働いた分を後で減額することもありません。

参考 雇用保険業務取扱要領52156(6)、52205(5)

注意

給付制限期間中であっても、アルバイトを行ったときは認定日に就労の申告が必要になります。

「支払いに影響が無い=申告しなくてもいい」ではありませんので、失業保険受給中にアルバイトをする場合は必ず申告しましょう。

なお、給付制限期間中に1日4時間未満のアルバイトをしたとき、収入の申告が少しややこしくなります。

1日4時間未満のバイトをした場合の申告方法の詳細については、以下の記事を参考にして下さい↓

貯金が少ない人が給付制限期間を乗り越える方法

貯金がほとんど無くて給付制限期間を乗り越えられるかわからない…

何かいい方法はある?

ファスタ
ファスタ

給付制限期間中はがっつり働き、給付制限期間が終われば失業状態に戻って仕事探しに専念する という方法がオススメです。

前出のとおり、給付制限期間中は失業保険が支払われません。貯金が少ない状態で退職した場合、給付制限期間中の生活費が無くなってしまう可能性があります。そんなとき、少し手間は増えますがこんな方法がオススメです。

給付制限期間中は週20時間以上アルバイトし、給付制限が終わればアルバイトを辞めて就職活動に専念する

手順は以下のとおりです。

貯金が少ない人が給付制限期間を乗り越える方法
  1. 失業保険を申請
  2. 待期期間中(申請から7日間)は仕事探しに専念
  3. 短期間(2ヶ月程度)の週20時間以上のアルバイトを見つける
  4. 働き始める前日にハローワークの窓口で就職申告を行う
  5. 給付制限期間中はがっつり働く
  6. 給付制限期間が終わるタイミングで、辞める(または週20時間未満に切り替える)
  7. 辞めた日の翌日以降にハローワークの窓口に行き、再離職の申告を行う(週20時間未満に切り替えた場合は切り替えた日の翌日)
  8. 就職活動に専念する(アルバイトを継続する場合は週20時間未満に抑える)

図でまとめると、以下のようになります。

失業保険を申請

通常の失業保険申請手続きを取ってください。失業保険の申請前から仕事探しを進めておくと、後の手続きがスムーズになります。

待期期間中は仕事探しに専念

申請後、7日間は待期期間です。待期期間中に働くと、給付制限期間が後ろにずれてしまう可能性があります。この期間は、働かずに仕事探しに専念することをオススメします。

なお、この段階で希望の就職先が見つかり、就職出来た場合は以下の手続きは必要ありません。その場合は新たな就職先でがんばって働きましょう。

待期期間中に働いた場合についての詳細は、以下の記事を参考にしてください↓

短期間の週20時間以上働ける仕事を見つける

待期期間中に希望の就職先が見つからなかった場合、短期間(2ヶ月程度)だけ、がっつり働ける仕事を探します。ここでの仕事の種類は、以下の2つのどちらかがオススメです。

短期間だけのオススメバイト
  • 繁忙期にスポットで入るバイト
  • 季節性のバイト(リゾートバイトなど)

それぞれの具体例は以下のとおり

繁忙期にスポットで入るバイト例
  • イベントシーズンの百貨店の催事場
  • 確定申告時期の税務署
季節性のバイト例
  • 夏のリゾート地でのバイト
  • 冬のスキー場などのバイト
ファスタ
ファスタ

スパッと切り替えて仕事探しに集中出来るように、働き始めの段階で、終わりの時期が決まっているアルバイトにしましょう。

働き始める前日にハローワークの窓口で就職申告を行う

失業保険申請後、週20時間以上働く場合は就職申告が必要です。必要書類を持参し、就職日の前日にハローワークの窓口に行きましょう。

必要書類
  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書
  • アルバイトの雇用契約書(あれば)

就職申告の詳細については、以下の記事を参考にしてください↓

給付制限期間中はがっつり働く

給付制限期間中は、がっつり働いてお金を稼ぎましょう。就職申告をした後は、何時間働いても・いくら稼いでも失業保険の金額に影響ありません。給付制限期間後に就職活動に専念できるよう、生活の安定に力を入れましょう。

ファスタ
ファスタ

もちろん、出来る方はこの期間中でも就職活動を進めておいてください。

給付制限期間が終わるタイミングで辞める

給付制限期間が終わるタイミングを計算し、そのタイミングでアルバイトを辞めます。雇用期間に定めがある仕事の場合は、雇用期間が終わるのを待ってもいいです。(雇用期間が2~3ヶ月程度の場合)

辞めづらい場合は、働く時間を「週20時間未満に抑える」でも大丈夫です。ただし、その場合は「週20時間未満に抑えた」新しい雇用契約書を必ずもらっておいてください

ファスタ
ファスタ

ここで新しい契約書をもらっていないと、最悪の場合、不正受給と見なされてしまうこともあります。

必ずもらっておきましょう。

辞めた日の翌日以降にハローワークの窓口で再離職の手続きを行う

失業保険の申請後に「就職⇒再離職」した場合、再離職した日の翌日以降、ハローワークの窓口で再離職の手続きをすることで、失業保険の受給を再開出来ます。ここでいう「再離職した日」とは、以下のどちらかです。

再離職した日
  • 完全に辞めるときは、退職日
  • 週20時間未満に抑えるときは、新たな雇用契約開始日の前日

失業保険の受給再開は、再離職した日の翌日以降で、ハローワークの窓口に手続きに来た日から計算が始まります

ファスタ
ファスタ

「手続きが遅くなればなるほど、失業保険をもらえるのが遅くなる」ということです。

再離職後はなるべく早くハローワークの窓口に行きましょう。

再離職の手続きに必要な書類は以下の2つ

必要書類
  • 雇用保険受給資格者証
  • 退職日が分かる書類(雇用保険に加入していたときは離職票)

ここでの必要書類は、各ハローワークによって微妙に違うことがあります。就職申告の時点で、退職後の手続きに必要な書類を聞いておきましょう。

就職活動に専念する

再離職の手続きが終われば、失業保険の受給再開になります。生活費は失業保険でまかない、就職活動に専念しましょう。週20時間未満でアルバイトを続ける場合は、毎回の認定日に就労の申告が必要になります。申告漏れ・誤りに注意し、ありのまま誠実に申告しましょう。

失業保険受給中にアルバイトをする場合の注意点・申告方法については、以下の記事を参考にしてください↓

まとめ(締め)

以上、給付制限期間中のアルバイトについて解説しました。まとめると以下のとおり。

給付制限期間とは、雇用保険法第32条・第33条に規定されている、基本手当を支給しない期間です。給付制限期間中は失業状態である必要がなく、

給付制限期間中にアルバイトをしても、失業保険に影響はありません。

また、失業保険受給中にアルバイトをした場合、通常は失業保険の金額が調整されますが、給付制限期間中のアルバイトについては、どれだけ働いても金額の調整がされません。貯金が少ない人状態で退職し、給付制限期間を乗り越えられるか不安な方は、こんな方法があります。

給付制限期間中は週20時間以上アルバイトし、給付制限が終わればアルバイトを辞めて就職活動に専念する

手順は以下のとおり

貯金が少ない人が給付制限期間を乗り越える方法
  1. 失業保険を申請
  2. 待期期間中(申請から7日間)は仕事探しに専念
  3. 短期間(2ヶ月程度)の週20時間以上のアルバイトを見つける
  4. 働き始める前日にハローワークの窓口で就職申告を行う
  5. 給付制限期間中はがっつり働く
  6. 給付制限期間が終わるタイミングで、辞める(または週20時間未満に切り替える)
  7. 辞めた日の翌日以降にハローワークの窓口に行き、再離職の申告を行う(週20時間未満に切り替えた場合は切り替えた日の翌日)
  8. 就職活動に専念する(アルバイトを継続する場合は週20時間未満に抑える)

給付制限期間は、長いと3ヶ月かかることもあります。事前に対策をすることで、計画的な転職活動にしていきましょう。

実りある転職になるよう祈っております。最後までご覧いただきありがとうございました。

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