失業保険受給中に就職が決まった場合のハローワークでの手続きについて

雇用保険制度

この記事の想定読者

  • 現在失業保険受給中で再就職が決まった方
  • 失業保険受給中に就職が決まったときの手続きが知りたい方

やった~!再就職が決まったよ~!!

ファスタ
ファスタ

おめでとう!本当によかったですね!

ありがとう!

そういえば今失業保険をもらっているけど、何もしなくてもいいのかな?

ファスタ
ファスタ

ダメです!ハローワークで就職申告をしましょう。

失業保険受給中に就職が決まったときは、ハローワークへ就職申告が必要になります

就職申告が必要な理由は以下のとおり。

なぜ必要か
  • 就職日の前日までの失業保険をもらうため
  • 窓口で再就職手当の案内を受けるため
  • 不正受給を疑われないようにするため

就職が決まってからのハローワークでの手続きの流れは以下のとおり。

手続きの流れ
  1. 就職日の前営業日にハローワークへ行き就職申告する
  2. 再就職手当の案内を受ける(対象者のみ)

ハローワークへ就職申告に行くときの必要書類は以下のとおり。

必要書類
  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書
  • 採用証明書(就職日がわかる書類)

この記事では、失業保険の受給中に就職が決まった方の手続きについて解説します。失業保険の手続きは就職が決まった後も続き、その手続きを間違えてしまうと、もらえるお金がもらえなくなってしまうこともあります

就職活動中の不安が少しでも取り除けるようにわかりやすく説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の参考にしている「雇用保険業務取扱要領」については、以下のURLから確認できます↓

雇用保険に関する業務取扱要領(令和5年8月1日以降) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

雇用保険法上の就職=週20時間以上の仕事

就職が決まったよ~!さっそくハローワークへ就職申告しに行こ~っと♪

ファスタ
ファスタ

ちょっと待って!それって本当に就職ですか?

失業保険受給中に働く先が決まったとき、まずはそれが雇用保険法上の就職に該当するか確認しましょう。雇用保険法上の就職に該当しなければ、就職申告の必要はありません

雇用保険法上の就職は、次の2つのうちどちらかに当てはまればその扱いになります。

雇用保険法上の就職の条件
  • 週20時間以上働く(または月87時間以上)
  • 働く先の会社で雇用保険に加入する

働く先が見つかったときは、まずはその働き方が雇用保険法上の就職に該当するか、事前に確認しておきましょう。

なお、働き方が雇用保険法上の就職に該当しない場合、以下の2つに当てはまれば、働きながら失業保険の受給が可能です

  • 今後も他に単独で週20時間以上の仕事を探し
  • 見つかればすぐ働ける状態

働きながら失業保険を受給する場合は、毎回の認定日ごとに就労申告が必要になります。失業保険受給中のアルバイトについては、以下の記事を参考にしてください↓

就職が決まったときの手続きの流れ

失業保険受給中に就職が決まったときは、ハローワークの窓口で就職申告が必要になります

手続きの流れは以下のとおり。

手続きの流れ
  1. 就職日の前営業日にハローワークへ行き就職申告する
  2. 再就職手当の案内を受ける(対象者のみ)

就職日の「前営業日」にハローワークへ行き就職申告する

まずは、就職日の「前営業日」に、以下の必要書類を持ってハローワークへ就職申告にいきます。

必要書類
  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書
  • 採用証明書(就職日がわかる書類)

就職申告に行くのは、就職日の「前日」ではなく「前営業日」です。ハローワークは土日・祝日・年末年始は開いていませんので、就職日が月曜日・年末年始のときは注意してください。

まれに土曜日も開いているハローワークがありますが、システムの関係上、雇用保険の部門は絶対に開いていません。就職申告は必ず就職日の「前営業日」の平日に行きましょう。

再就職手当の案内を受ける

就職申告をした後に、対象者に対しては再就職手当の案内があり、申請に必要な書類や方法についての説明があります。対象になる方は、説明をしっかり聞き、再就職手当の申請に備えましょう。

再就職手当の対象にならない方は、就職申告が終われば失業保険の手続きは全て終了です。これまで失業保険手続きに使用していた書類は、今後はほとんど不要になります。ただし、雇用保険受給資格者証については、手続き終了後も使用する場面が多いので、無くさないようにしっかりと保管しておきましょう。

再就職手当とは、申請方法や必要な書類などについては、以下の記事を参考にしてください↓

就職申告に必要な書類

就職申告に必要な書類は以下のとおり。

必要書類
  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書
  • 採用証明書(就職日がわかる書類)

雇用保険受給資格者証

  • もらえる場所:ハローワーク
  • もらえる日:雇用保険説明会の日 又は 最初の失業認定日(ハローワークによって違います)

雇用保険受給資格者証は、ハローワークへの失業保険の申請と離職票の提出によって発行されます。発行までは1~2週間ほどかかり、申請後、次にハローワークに行くタイミングで手渡されます。

あれ、持ってないよ!どうしよう!

ファスタ
ファスタ

落ち着いて。

現在どういう状況かで対応が変わります。

(紛失時の対応)すでにもらっている人

ハローワークの窓口で再発行の申請ができます。

以下の必要書類を持ってハローワークへ行きましょう。

  • 本人確認ができる書類
  • 写真2枚

(紛失時の対応)まだもらっていない人

就職申告をしにハローワークへ行けば、その場で本人確認後交付してもらえます。気にせず、他の必要書類を持って就職申告に行きましょう。

失業認定申告書

  • もらえる場所:ハローワーク
  • もらえる日:失業保険の申請日 又は 失業認定日

初回の申請時や毎回の失業認定日の終了時にもらえます。万が一持っていなくても、ハローワーク窓口に行けばもらえます。ただし、記入に時間がかかるので、持っていない方はなるべく早めにもらいに行きましょう。

記入するのは以下の箇所です。

1欄 就労の申告

1欄では、前回認定日~就職申告の日までにアルバイトやパート、ボランティアなどの就労を行ったかを申告します。ここで、入社前の研修や勉強会などに参加した方は、給料が支払われなかったとしても必ず申告しましょう。

就職先の会社が社会保険等の手続きを行うときに、研修や勉強会に参加した日から就職の扱いにする場合があります。そのとき、研修等への参加を申告をしていないと、不正受給として処罰される恐れがあります。

不正受給になると以下の処分になります。

  • 不正受給後の失業保険は全て返還
  • 再就職手当ももらえない(もらっていたら全額返還)
  • 以後、新たに受給資格が発生するまで失業保険はもらえない
ファスタ
ファスタ

これでアウトになる方が毎年一定数います。

特に再就職手当の対象になる人は要注意です。

就職前の研修や勉強会などへの参加は、たとえ給料が出なくても必ず申告しましょう。

不正受給になるとどうなるか、なってしまった場合の対応方法については、以下の記事を参考にしてください↓

4欄 就職活動の状況

ここは、イの「応じられない」と(ウ)に〇をします。

5欄 就職先の情報

就職状況や就職経路、就職先の情報を記入します。

会社への就職の場合

  1. アの「就職」に〇
  2. 就職経路(1)(2)(3)の該当するものに〇
  3. 就職日、就職先の会社の名前・住所・電話番号を記入

自営業・業務委託契約の場合

  1. イの「自営」に〇
  2. 自営・業務委託の開始日を記載

なお、自営・業務委託の開始日は実際に業務を行う日ではなく、その準備に専念した日からになります。概念が難しいので、該当する方はハローワークの窓口で確認しましょう。

採用証明書(就職日がわかる書類)

  • もらえる場所:ハローワーク(就職先の会社に証明してもらう)
  • もらえる日:最初に離職票を持ってハローワークに行った日

就職日の確認として、採用証明書などの就職日の確認できる書類の提出が求められます。採用証明書は企業の任意様式でも大丈夫ですが、なるべく各ハローワークの所定の様式を使うようにしましょう。

最初に離職票をハローワークに提出した日に、窓口で「雇用保険受給資格者のしおり」という小冊子がもらえると思います。その一番後ろに付いていることが多いです。切り離して就職先の会社に証明してもらいましょう。

よくある質問2選

以下で、窓口や電話などでよくあった就職申告の質問を取り上げます。当てはまる方がいらっしゃると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

「就職日がわかる書類がありません」

採用証明書は働き出してからしかもらえないらしい…

就職申告のときに提出する就職日がわかる書類がないよ~!

ファスタ
ファスタ

後日郵送で提出でも大丈夫。

とりあえず他の必要書類を提出して就職申告しよう。

就職日がわかる書類は就職申告のときに間に合わなければ後日郵送でも大丈夫です。他の必要書類を持って先に就職申告しましょう。ただし、採用証明書等で就職日の確認ができるまで、「前回認定日~就職日前日まで」の期間の失業保険を支給しないハローワークもあります。

採用日が確認できる書類がなくても就職申告自体はできますが、失業保険の支給が遅くなることがあるので、なるべく早めに提出しましょう。

「就職日の前営業日にハローワークに行けません」

就職日の前営業日に就職申告に行かなきゃなのに、予定があって行けないよ~!

ファスタ
ファスタ

前営業日でなくても就職申告はできます。

ただし、もらえる失業保険の金額が少なくなってしまうことも…

私用で就職日の前営業日に行けない場合、「前回認定日~就職日前日まで」の失業保険がもらえなくなる可能性があります。

なぜ就職日の「前営業日」に行くのか

結論、就職日の「前営業日」でなくても就職申告はできます

なぜ就職日の前営業日の手続きを案内しているかというと、以下の理由があるからです。

就職申告を就職日の前営業日に行く理由
  • 失業保険は就職日前日までもらえる
  • 来所日以降の未来の認定はできない
  • 失業保険の支払いは本人が来所しないとできない
  • 就職後はハローワークに行きづらい(平日しか開いていない)

申告した日までの分しか失業保険はもらえないので、就職日の前営業日より前に就職申告に行くと、一部もらえない失業保険が発生してしまいます

ファスタ
ファスタ

つまり、就職日の前営業日に申告するのが一番お得ですよ。

ということです。

なお、再就職手当については、就職申告をいつしてようが、再就職手当の支給対象になっていさえすれば、申請すると支給されます。

どうしても行けない場合

そうは言っても、どうしても行けない場合はどうすれば?

ファスタ
ファスタ

ハローワークに相談しよう!就職後でもある程度は申告を受け付けてくれます。

どうしても就職日の「前営業日」に行けない場合は、以下のどちらかの対処法が考えられます。

  • 就職日の前日までの失業保険は諦める
  • 就職後にハローワークに就職申告に行く(タイムリミットあり)

就職後、一定期間経っても就職申告の来所が無ければ、就職日前日までの失業保険が支払われません。いつまでの来所であれば支払い可能かは人によって違います。必ず事前にハローワークに確認しましょう。

まとめ

以上、失業保険受給中に就職が決まった方の手続きについて解説しました。

まとめると以下のとおり

なぜ必要か
  • 就職日の前日までの失業保険をもらうため
  • 窓口で再就職手当の案内を受けるため
  • 不正受給を疑われないようにするため
手続きの流れ
  1. 就職日の前営業日にハローワークへ行き就職申告する
  2. 再就職手当の案内を受ける(対象者のみ)
必要書類
  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書
  • 採用証明書(就職日がわかる書類)

失業保険を申請しても、手続きを間違えるともらえるお金がもらえなくなることもあります。

しっかりと制度について学び、もらえるお金はしっかりもらってから次のステップへ進みましょう。

再就職先の給料が前職よりも下がる可能性がある方は、以下の記事を参考にしてください。

いい転職になること、心から祈っています。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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